いまの社会は自給自足経済と違って、生活手段は外の人々の労働によってつくられています。その生活手段に費やされた色々な人の労働量が「労働力の価値つまり価格」・生活費になります。
この労働力を維持する生活費・価格に対して封建時代のように、直接お米で領主と６公４民などのように分けあうのではなく、商品として会社が売って一旦会社のものとして回収されたお金で、働いた時間や週、月に換算されて支払われているのが賃金です。ですから賃金は会社で働いた労働に対する対価のように、錯覚してみえるのです。このことは、労働力の所有権は労働者に有りながらも労働させる使用権は経営者に属し、労働が会社に依存していることからも生じます。
会社で労働をして新しく商品を造るときに付け加えた労働つまり価値と、労働力の価値つまり、色々な人が造った衣・食・住の労働は、時間的にも場所的にもまったく違った次元を根拠として成り立っている資本主義の基本的仕組みなのです。
利潤・労働力の価値より会社で働いてつけ加える価値の方が大きい
そこから労働者が会社で商品を造るときに働いて加える労働量・価値（例えば８時間）の価格は労働者が生存するのに必要な生活手段の労働量・価値（例えば４時間）の価格より大きくなければなりません。その差額が利潤となります。これを労働時間の次元にもどしてみると、賃金に見合った必要労働時間と利潤の剰余労働時間とに分けられます。
今日の資本主義社会は封建制度のような身分的上下関係による強制の搾取ではなく、労働力をも商品とせざるを得ない経済法則の強制が無償労働を生み出す根源になっているのです。このことを前提に、経済原理に則って労働力の価値通り要求をしているのが生計費原則の賃上げなのです。
福岡県 北九州市 若松区 ビジネスホテル うめかぜ組合
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